12月からの基準、2割弱が未達成
焼却炉ダイオキシン

全国で稼働中の焼却炉から出る、排ガス中のダイオキシン類の濃度を環境省が測ったところ、今年12月から厳しくなる排出基準を満たさない炉が、調査対象の2割弱の計909炉にのぼることがわかった。基準を満たさない炉は12月以降は稼働できなくなるため、焼却炉を運営する市町村や処理業者は、炉の改善か廃炉を迫られる。

 調査したのは00年12月からの1年間で、全国の一般廃棄物と産業廃棄物の焼却炉が対象。廃棄物処理法を改正し、焼却施設のダイオキシン類の排出基準を設けた97年から、毎年測定している。

 排出基準は既存の炉の場合、現行では1立方メートルあたり80ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)以下だが、12月からは処理能力に応じて1ナノグラム〜10ナノグラム以下と厳しくなる。97年12月以降に新設された炉には、さらに厳しい基準が適用される。

 既存の炉に新基準をあてはめた場合、一般廃棄物では2507炉中454炉が、産廃では2930炉中455炉が基準を満たさなかった。

 現行の基準を満たさない炉も一般廃棄物で1炉(現在は停止中)、産廃で19炉(うち11炉は設備を改善し稼働)あった。

 政府のダイオキシン類削減計画では、年間の排出総量についても、今年度末までに97年時点の6500グラムから510グラム(92%減)にすることを目標にしている。


環境省記者発表資料
「産業廃棄物焼却施設の休・廃止状況」
(平成14年7月30日)

7月31日 朝日新聞紙面より

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