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■予備知識−ダイオキシンの発生源と排出実態

焼却工程「一般廃棄物焼却施設」

 一般廃棄物焼却施設から排出されるダイオキシン類は、不完全燃焼により生成するものと、排ガス処理設備等でガス温度が300°C程度の温度域になった際に、ダスト表面における触媒作用により合成されるものがあると言われている。
 ダイオキシン類の各種発生源からの排出状況は必ずしも明らかではないが、一般廃棄物焼却施設が主要な発生源とされている。
 環境庁では、平成7年度に、一般廃棄物焼却施設を対象とした排出実態調査を実施している。この調査では、焼却方式や排ガス処理方式等の相違を考慮して調査対象の19施設を選定するとともに、同一の分析機関により測定を行っていることから、調査対象施設数は少ないものの、焼却方式等の相違によるダイオキシン類の排出実態を比較評価することができる。
 一般廃棄物焼却施設19施設のダイオキシン類の排ガス平均濃度は、33.2ngTEQ/m3Nであり、その範囲は0.00〜170ngTEQ/m3N であった。焼却方式の面から排ガス濃度を比較すると、全連続式(6施設)は、I.28ngTEQ/m3N(0.00〜6.5ngTEQ/m3N)と、准連続式(10施設)や機械化パッチ式(3施設)に比べて低い値を示した。このことは、全連続式の焼却方式では准連続式や機械化パッチ式と比べて、安定した完全燃焼が継続されることを示している。
 また、排ガス処理方式の面からみると、バグフィルタを設置した焼却施設(9施設)が1.48ngTEQ/m3N(0.00〜3.6ngTEQ/m3N)と電気集じん機を設置した焼却施設(10施設)に比べて低い値であった。この理由としては、バグフィルタを設置した焼却施設の多くが平成5年度以降に設置された新しいものであったことも考えられるが、粒子状のダイオキシン類を除去するためには、特に微粒子について高い集じん効率を持つ集じん装置が有効であることを示している。
 一方、厚生省では、平成8年度に一般廃棄物焼却施設に係るダイオキシン排出実態等総点検調査を実施しており、その中間報告によれば、一般廃棄物焼却施設705施設のダイオキシン類の排ガス平均濃度は、31.1ngTEQ/m3N(0.00〜990ngTEQ/m3N)であった。また、同報告では、平成8年における一般廃棄物焼却施設からのダイオキシン類の年間総排出量を、約4,300g-TEQ/年と推計している。


表3−1  ごみ焼却施設のダイオキシン排出濃度 (単位:ngTEQ/m3N)
(ダイオキシン排出抑制対策検討会報告書より)

炉形式 調査数 総ダイオキシン濃度 毒性等価換算濃度(TEQ)
平均 (最小〜最大) 平均 (最小〜最大)
全連続式 6 88.1 (2.7〜440) 1.28 (0.00〜6.5)
准連続式 10 4,640 (190〜13,000) 59.0 (1.90〜170)
機械化バッチ式 3 813 (370〜1,200) 11.3 (3.62〜16.)
合計 19 2,600 (2.7〜13,000) 33.2 (0.00〜170)



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