ごみ最終処分年3000万トン/リサイクル率12.8%
「2010年までに」

環境省が数値目標案

環境省は3日、製品の再利用・再生率やごみの最終処分量について、国や企業、国民が10年までに達成すべき数値目標案を設けることを決め、目標値の案を公表した。
限られた資源で経済を発展させ、環境への負荷を減らす「循環型社会」の実現を目指す。
中央環境審議会で議論し、来年3月までに同省がまとめる「循環型社会形成推進基本計画」に盛り込む。

 基本計画は00年に成立した循環型社会形成推進基本法に、早期に作ることが定められている。同日午前に開かれた中環審循環型社会計画部会で三つの目標値が示された。

 資源が輸入・採取されてから、製品として使用・再利用され、廃棄されるまでの、物質の流れの三つの断面に着目。国内総生産の金額を、生産のために使われた国産や輸入の天然資源の総量で割って算出する「資源生産性」は1トンあたり35.8万円▽製品の再使用リサイクル率の「循環利用率」は12.8%▽産業廃棄物など国内のごみの「最終処分量」は年間3千万トン、とした。

 資源生産性は、いかに資源を有効に利用しているかを示す指標として各国で採用されている。00年時点で、日本の資源生産性は25.5万円、循環利用率は9.5%。最終処分量は約6千万トンだ。

 環境省は、数値目標の設定によって政策の進み具合の監視や達成度の評価が可能になるとしている。目標達成には、生産、流通、消費の各場面でごみを減らして製品の再使用、リサイクルを推進するほか、環境負荷が少ない製品を評価する制度や地域資源の活用が有効だとする。

 具体的には、石油や石炭といった化石燃料の使用を抑える森林資源の活用や、物の購入や所有よりも余暇を楽しむ生活の推奨、ごみの発生しにくい製品を作るよう製造者などに義務づける拡大生産者責任の導入などを目指すとしている。
[2002年12月3日 朝日新聞紙面より]

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